◁◁目次▶▶
◆◆第一世代の明かり、ロウソク◆◆
明かりの歴史は、紀元前に発明されたロウソ
クに遡ります。この第一世代の明かりである
ロウソクの時代は、19世紀まで続きました。
★ロウソクの原理★
①先端にある芯に火を灯す
②炎の熱で周囲の蝋が融解して溜まる
③毛細管現象により液体の蝋が芯を伝わって
吸い上げられる
➃芯に吸い上げられた蝋が炎の周りで空気を
取り込み、高温ガスとなって燃焼する
この一連のサイクルが継続することで燃え続
けることができるのです。
★ロウソクの原理に関する代表的な著作★
光源の明るさの単位のカンデラ(燭光)は、
元々特定の規格のロウソクの明るさを基準と
して決められた単位です。
また、ロウソクの炎には内炎・外炎・炎心の
構造があることも特徴です。
◆◆第二世代の明かり、白熱電球◆◆
19世紀、エジソンにより第二世代の明かり、
白熱電球が発明されます。
白熱電球の特徴は、文字通り「白熱」するこ
とで、これは、フィラメントとして用いる金
属のタングステンWに電気抵抗が生じること
で、摩擦熱(約2000~3000℃)と光が発生する
ことによります。
このとき高温によりフィラメントが蒸発して
しまうことを抑えるために、不活性ガスであ
に封入しています。
これにより、長寿命化を叶える混合ガスです
が、一方デメリットである、熱伝導や対流に
よる熱損失を防ぐために、熱の逃げ場を狭め
る二重コイルの構造になっています。又はア
ルゴンに比べ原子が大きく熱伝導率の低いク
リプトンKrガスを用いる電球もあります。
◆◆第三世代の明かり、蛍光灯◆◆
20世紀になって発明された蛍光灯は第三世代
の明かりです。
石(ここではリン酸カルシウム化合物を意味す
る)の1種であるフッ素アパタイトにアンチモ
て微量ドープ(注入)した、ハロリン酸カルシウ
ム(Ca,Sb,Mn)10(PO4)6(F,Cl)2)を塗布したガラ
ス管とその両端に付いているフィラメント(タ
ングステンW製)によって構成されています。
両端にフィラメントに電流が流れると、電圧
が加わり、一方から他方のフィラメントへ熱
電子が放出されます(熱電子放出)。この熱電子
が、蒸発して気体となっている水銀Hg電子に
衝突します。これにより水銀電子は紫外線を
光に変わるのです。
◆◆LEDの起源◆◆
発明以来、今日まで目覚ましい進歩を遂げて
いるLED。21世紀になって普及し始めたLEDは
、最近になって登場した印象ですが、実はLE
Dの歴史はそれ程新しいものではありません。
今から100年以上前の1906年、英国の科学者
素(SiC)の塊に電流を流すと黄色く発光するこ
とを確認しました。
これが、LEDの起源とされています。1962年
には、米ゼネラル・エレクトリックのニック
・ホロニアック氏が赤色LEDを発明しました
。彼は「LED発明の父」と呼ばれており、196
3年には「発光ダイオードがトーマス・エジソ
ンの電球を置き換えるだろう」と予言してい
ます。
◆◆LEDの仕組み、用途◆◆
様々な色で発光するLEDですが、これらの歴
史を辿ると、1962年に赤色が誕生し、その後
1972年に黄色、1985年に桃色、1993年に青色
、1995年に緑色、1997年白色のLEDが誕生し
ます。
LEDの特徴は大きく3つ、
①自身で能動的にエネルギーを増幅させる能
動素子である。
②一定方向にのみ電流を流すダイオードであ
-極を繋いだときのみ電流が流れる)。
ということです。
LEDの発光原理はエレクトロルミネセンス(EL)
効果という言葉で説明されます。
る発光現象(ルミネセンス)のことです。
※電界強度(電場の強さ)はEという記号で表さ
れ、E=電位差V÷距離dという式が成り立ち
ます。ELには注入型ELと真正ELに区別され、L
EDは注入型EL(電界によって電子と正孔(真正
半導体ならば電子で満たされているべき価電
子帯の電子が不足し、空洞が出来ている状態
で、相対的には正の電荷を持つように見える)
が注入されることで再結合が起こり発光に繋
がるもの)です。
これらLEDを利用して各種照明に役立てる「LE
D照明」。この歴史は、1990年代初頭、自動
車用ランプに用いられ始めたことに端を発し
ます。その後、携帯電話のライト、家具、医
療用照明と、活用の幅が拡大していきました。
◆◆青色LEDの開発◆◆
カラー表示のための光の三原色である青色
LEDの開発は、カラーディスプレイの開発そ
のものにおいて非常に画期的な開発でした。
LEDで白色、あるいはフルカラーを発光させ
るのにも、青色LEDが必要でした。この青色
LEDの開発には、多くの日本人が貢献しまし
に必要な窒化ガリウム(GaN)の単結晶化に成
功し、1989年に青色LEDを開発しました。従
来の蛍光灯に用いられてきた、環境負荷の大
きい水銀Hgが不要という点、省エネで高効
率という点により、革新的な開発でした。
現在のLEDにつながる高輝度青色LEDの量産技
ました。1995年以降、日亜化学工業により、
により白色LEDが開発されましたが、白色と
言っても青みがかっていた為に、照明器具用
途としては普及しませんでした。この課題を
解決すべく検討されてきたのが、青色LEDに
よって励起可能な硫化物蛍光体(緑=SrGa2S4
定性が課題となり実用化には至りませんでし
た。
◆◆青色LEDの低コスト化◆◆
LEDの開発に成功しました。これは青色LED
の再発明とも言われる画期的な開発でした。
それまで使われていた窒化ガリウムは高コ
ストが課題だったのでその改善案として大
きな期待が持たれたのです。
◆◆白色LEDの進化◆◆
それまでの白色LEDにおいて課題であった、
青、黄のみによる発色には不自然な所があり
、実用性が今一つだという点については、改
を紫LEDに組み合わせる方法が提唱されまし
た。しかし既存の蛍光体に紫光を当てても発
色効率が悪く、より高い発光強度の蛍光体が
待ち望まれていました。
2000年代より、NIMS(国立研究開発法人物質
、酸窒化物及び窒化物(共有結合性が高く、安
全性が高い)系蛍光体が開発され始めました。
セラミックス(サイアロン焼結体)の研究を進
めていた同グループ。サイアロン焼結体を製
造する際、反応を促進するためにカルシウム
体を合成できるのではないかと考えたのです
。まず最初に合成に成功したのはサイアロン
の一種、αサイアロンにEuを添加した黄色蛍
光体でした。
その後、電気化学工業(現デンカ)との共同
開発の末、2007年に実用化を遂げた緑色蛍光
体です。サイアロンの一種、βサイアロンに
Euを添加することで合成に成功しました。そ
の後、同社協力の下、αサイアロンによる黄
色及び橙色蛍光体の実用化にも成功しました
。サイアロン蛍光体は、窒化ケイ素(Si3N4)、
坩堝に入れ、窒素中10hPa、1900℃で反応さ
せ、作製に至りました。合成された粉末(サイ
アロン焼結体)、がホスト結晶となり、そこに
発光中心Eu2+がドープされています。初めて
の実用化を遂げた窒化物セラミックス、それ
色蛍光体が実用化されました。その名もCAS
外線によって励起され青色を発光する性質が
知られていたEu。これが窒化物(CaAlSiN3)中
において、青色の光によって励起され赤色を
発光することを発見したのです。
また同グループは2006年、白色LED向けの新
たな青色蛍光体を合成、窒化ケイ素(Si3N4)、
窒化アルミニウム(AlN)、酸化ランタン(La2O
3)、酸化セリウム(CeO2)粉末を混合させ、B
N製の坩堝に入れ、窒素中10hPa、1900℃で
反応させての作製に成功しました。合成した
粉末はCeを含む酸窒化物結晶です。