日本の有力選手も多数出場した。
青山学院大学元主将であり、
4年連続で箱根駅伝に出走し、2度の総合優勝に貢献した、飯田貴之選手(23)=富士通=もその一人だ。
飯田選手はこのレースを、自身の自己ベストを23秒上回る2時間9分34秒で走り切り、総合5位、日本人トップでのフィニッシュとなった。
そしてこの記録により、10月15日に行われるマラソンの2024年パリ五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得した。
それまでの自己ベストは2時間9分57秒で、大阪マラソンで出した記録だった。
海外の大舞台での、正に世界へ挑戦する上での大きな飛躍となる結果だ。
飯田選手の持ち味はなんと言っても安定感と対応力である。
これは彼のキャリアが裏付けている物でもあり、学生時代の駅伝成績を振り返り、
各出走区間、区間順位を見るだけでも、火を見るより明らかである。
※出雲駅伝は全21チーム、全日本大学駅伝は全27チーム、箱根駅伝は、全21チーム
マラソンは、まず陸上長距離の最長距離の種目に位置付けられ、
さらにロードを走ることから、勾配、気候などの環境の変化が最も激しい種目とも位置付けられる。
このことからも、安定感と対応力は不可欠であり、
この点において飯田選手はかなり適性が高いと言える。
飯田選手が学生時に走った、初マラソンの別府大分毎日マラソンは、
30km手前で集団から離れ、結果2時間20分台と、
苦い経験となりはしたが、
当時は「マラソンを走るならば」と想定していた練習量に達せずの挑戦ということもあり、
不安要素が残る中での挑戦だったのだろう。
しかし実業団選手として、量も質も上昇してきて、ようやく
「本領発揮」といった雰囲気だ。これからが益々楽しみでもある。